戸建ての売却にかかる税金は?譲渡所得税と5つの特別控除

戸建てを売却すると多額のお金が入って来ますが、税金を払わなくてはいけないのでしょうか。
課税対象になるケースとならない場合があるのですが、どのような時に対象となるか、またなるなら何か控除を受けることができるのかを説明します。

戸建て売却において課税対象になるケースと税率

戸建てを売却すると数百万、数千万円の単位で代金が支払われますが、いくら入金があってもその戸建てを購入したときの代金よりも上回った額で売れて利益が出た時のみ税金がかかってきます。

厳密にいえば、購入時の代金と譲渡のために行ったリフォームの費用や仲介手数料などの経費を合計しても利益が出た場合に、その利益が課税対象となるのです。

購入時の代金も物件の費用だけでなく、その時にかかった仲介手数料や減価償却費相当額も含まれます。減価償却というのは年数の経過によって劣化していくものを対象に、耐用年数をもとに償却率が決められていて計算されます。

これらの計算で産出された購入時の取得費よりも売却時に得た代金の方が多かった場合に、かかる税金は「譲渡所得税」です。

譲渡所得税とは、「住民税」と「所得税」それに「復興特別所得税」の3つの総称で、所有期間により違う税金です。取得した日から売却した日を含む年の1月1日現在で5年以内なら「短期譲渡」、5根に錠経過していれば「長期譲渡」に分類されます。

税率は短期譲渡の方が高くて住民税が9%で所得税が30%、復興特別税が所得税の2.1%の合計39.63%で、長期譲渡はそれぞれ5%と15%、復興特別税は短期と同じで合計20.315%です。

譲渡所得税で受けられる5つの特別控除

譲渡所得税とは所有期間により違う税金で短期譲渡ほど高いのですが、いずれにしても譲渡利益の約2割から4割が税金になるのです。

そこで、5つの特別控除が用意されています。1つ目は最高3,000万円までは控除できるという特例で、譲渡所得が2,000万円なら課税対象は0円になり、4,000万円の譲渡益があっても1,000万円だけに税金がかかるということです。

2つ目は軽減税率の特例で、所有期間が10年を超えている場合には3,000万円の控除を受けた後、さらに6,000万円までなら所得税が15%の所10%になり所得税も5%が4%になるというものです。

3つ目は買い替えの特例で、居住期間が10年以上の家を1億円以下で売った場合、その年の前後3年以内に新しい家を買い替えた時は税金の支払いを先延ばしできるという特例です。

4つ目は、新たにマイホームを買い替える場合の特例です。住宅ローンの支払いが残っていて5年以上居住した住宅を売却したときに損失が出た場合に、他の給与所得などと損益通算をして繰り越し控除額が3,000万円以下のときに適用で、翌年以降3年間繰り越すことも可能です。

5つ目は、新たにマイホームを買い替えない場合の特例です。5年以上居住をしローン残高よりも譲渡価格が低く、繰越控除額が3,000万円以下の時に適用されます。

譲渡所得税とは所有期間により違う税金

戸建てを売却して利益が出た場合のみ、その利益に対して譲渡所得税がかかります。その税率は住宅の所有期間によって異なり5年以下の短期なら約40%、5年以上の長期なら約20%になります。しかし5つの特別控除があるので、条件が合えば適用できます。